医療スタッフのブログ

製薬企業の経営効率化のカギを握るライセンシングとジェネリック医薬品

医薬品は原則として、新規化合物に対する1つの特許から成立しています。特許を持っている製薬会社が、ある段階まで研究・開発した新薬候補物質に関する特許権やノウハウを別の企業に売却したり、別の企業がその特許を使用することを許諾することを「ライセンスアウト」といいます。

後発医薬品と特許切れ問題

従来、アメリカに現地法人を持たない日本の大手製薬会社が、アメリカでの開発販売権を現地の製薬企業に供与することが多かったのですが、近年は販売ルートの乏しいベンチャー企業が、アメリカの大手製薬企業に開発販売権を供与するケースが増えてきました。

ライセンスアウトに伴い、特許を有する製薬会社は、契約一時金、開発の進捗に応じた報酬(マイルストン)、販売額に応じた報酬(ランニング・ロイヤリティ)を得ることができます。一方、新薬の候補物質に関する特許権やノウハウを研究機関や他社から対価を払って導入することを「ライセンスイン」といいます。

旧来は製薬企業のグローバル化が進んでいなかったこともあり、アメリカと日本などのように、国籍の異なる企業間でのライセンス活動が主流でした。1990年代ころまでは、日本の技術力が劣っていたこともあり、ライセンスインに伴う欧米企業への支払額が、ライセンスアウトに伴う受取額を超えていましたが、技術力の向上とともに、1990年代以降はライセンスアウトに伴う受取額の方が多くなってきました。

医療費に対する医薬品費の占める割合が増加している現在、各国でその費用を抑制しようという動きが活発になっています。この世界的な流れが>製薬会社の経営効率の向上につながっています。

その1つの例が、ジェネリック医薬品の台頭です。特にアメリカでは医薬品選択の実質的な権限を民間の保険会社が握っているため、特許が切れた品物のほとんどがジェネリックに移行されています。

製薬会社の課題は、この先発医薬品の特許切れによる売上の減少と、新薬開発費の高騰です。一説には、一つの新薬を開発するのには1,000億円近くの費用と15年もの歳月が必要といわれています。更に副作用などで販売中止や売り上げがが大幅に減少するケースもあります。

もし、画期的な先発医薬品の開発に成功すれば、大きな利益を得ることができます。医薬品の開発はハイリスク、ハイリターンなのです。日本では売上高順に見て、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、中外製薬となっています。