医療スタッフのブログ

臨床試験の実施困難や採算性の確保の問題が小児用の新薬開発が遅れる一因に

海外では承認されている薬が日本国内では使うことができない、いわゆる「ドラッグラグ」問題。大人向け医薬品でもドラッグラグは依然として、大きな問題ですが、子供特有の疾患向けの医薬品では、より深刻な面があります。

新薬候補の臨床試験

厚生労働省は、問題の解決に向け、「未承認薬」と「適応外薬(承認されているけれど、効能・効果または用法・用量が異なる薬)」について、製薬企業に対して91品目の開発要請を行いました。このなかには、小児への適応も対称とした34品目が含まれています。

開発要請リストには、進行すると脳や神経が破壊されてしまう「ニーマン・ピック病C型」や、生後ないし乳幼児から発症し、発熱や激しい炎症を繰り返す「クリオピリン関連周期熱症候群」といった病気のほか、てんかんや、小児高血圧、早産児無呼吸発作、ネフローゼ症候群などの治療薬が並んでいます。

小児用医薬品の開発が進まない理由としては、①同年齢でも体格や薬を体内で分解する能力に個人差が大きく、安全性・有効性の評価や薬物動態試験など臨床試験の実施が困難、②小児が治験に参加することの是非や、参加を小児自ら判断する能力の有無など、倫理的な問題が存在、③小児用製剤の開発コストと予想される市場規模を考えた場合、採算性の確保が困難と判断されるケースが多い―などが挙げられます。

医療保険で使用する医薬品のことを薬価といいます。これは製薬企業が勝手に決めるものではなく、国によって決められ使用薬剤の購入価格(薬価基準)という価格表に掲載されえt増す。

この薬価基準には、①医療保険で使用できる医薬品の範囲、②使用した薬剤の費用を算定するための価格が規定されています。医師はこの基準の中から医薬品を選んで処方します。保険診療において薬価基準にない医薬品を使用することはできません。

医療機関や保険薬局は、患者に使用した薬剤の費用を算定し、保険者に請求します。薬価基準は、中央薬事審議会の答申を経て、厚生労働大臣が決定します。医学ボランティアの協力によって治験(臨床試験)で安全性が確認され、製造承認を取得した医薬品が医療保険の適用を受けるためには、薬価基準への収載手続きが必要になります。

薬価基準への新規収載は、先発医薬品(新薬)が年に4~5回、ジェネリック医薬品の場合は年に2回行われます。一方、使われなくなったり、製造中止になった医薬品は収載から削除されることになります。現在、薬価基準に収載されいる薬は、内服・外用・注射薬を合わせて、約14,000綱目以上もあります。