医療スタッフのブログ

患者数が最も多い食中毒「ノロウイルス感染症」の症状と対処法

厚生労働省が発表している調査結果(2014年)によると、数ある食中毒のなかにあって患者数が全体の半数を占め、10,000人を突破しているのが、ノロウイルスによるものです。食中毒=夏に流行するもの、という図式が成り立っているようですが、ノロウイルスによる感染症の大半は冬に発症するのが大きな特徴です。

激しい下痢・嘔吐などの食中毒症状

感染経路は、まず感染者の便に含まれたウイルスが下水を経て河から海へ流されます。次にそのウイルスが二枚貝(牡蠣など)に取り込まれます。そして、その汚染された牡蠣などを十分に加熱せずに食べることで感染すのです。近年は、症状が出ない不顕性感染者による人から人への集団感染が、保育園や高齢者施設などで頻発しています。

ノロウイルスは感染すると、水のような下痢、嘔吐、発熱などが現れて発症しますが、症状が全く現れない(不顕性感染)人もいます。体の抵抗力が弱い高齢者や幼児は重症化しやすいので注意が必要です。

ノロウイルスは熱に強く、胃酸でも死滅しないうえ、わずか10個程度でも感染が成立するほど感染力が強くなっています。そのため、感染者の嘔吐物や便を処理する際に二次感染するだけでなく、トイレやドアノブなどに触れて、ウイルスが口に入ることで広まることもあります。

ノロウイルスに対する特効薬はないため、下痢や嘔吐でによる脱水症状に陥らないように水分補給をしっかりと行うことが大切です。

食中毒は季節に関係なく発生しますが、梅雨から蒸し暑い夏にかけてピークを迎えます。その多くは食後数時間以内から1日ほどで、吐き気や嘔吐、激しい下痢、腹痛などの症状がやってきます。

小さいお子さんに食中毒が疑われるときは、すぐにぬるま湯や食塩水を飲ませて、食べたものを吐き出さすようにします。吐いても症状がおさまる様子が無い場合は内科医や小児科医、感染症の専門医がいる医療機関へ行き、重症の場合は救急車を呼びます。

吐いてよくなったときや症状が軽い場合には、胃薬や下痢止めを飲ませ、毛布などで保温して様子をみます。吐き気が強い時は、嘔吐物でのどが詰まってしまわないように、半うつ伏せの状態にして吐かせます。腹痛がある場合は、ひざを曲げて仰向けに寝かせると良いでしょう。

食中毒は大きく分けて、細菌性、化学性、自然毒の3種類があります。細菌性食中毒で特に怖いのは、O-157で知られている腸管出血性大腸菌(厚労相時代の管総理が風評被害対策にカイワレ大根を食べましたね)、視覚障害や言語障害を起こすボツリヌス菌です。